日本の滝(百選以外)/両部の滝(栃木県那須郡那須町) †
2016年7月24日訪問。
存在は有名だが、なかなか訪問がかなわなかった栃木県最北部に位置する那須岳の秘瀑「両部の滝」へ向かう。
ちなみにこの滝のアプローチは完全に登山。
しかも整備された散策道ではなく、完全に道のなき道をテープやリボンだけを頼りに歩く必要がある。
丁寧に看板などは一切ない。
目印のテープやリボンの間隔が長くなる場所があり、迷いやすい。
見失うと一撃で遭難の可能性がある。
可能であれば訪問したことがある経験者と同行するか、
後述装備のGPSアプリ(+充電器)を持って現在位置と地図を照らし合わせられる準備を強くおすすめする。
#ちなみに私はこの1週間前に訪問して完全に違うところからアプローチして失敗した経験をしている。
駐車場まで †
↑地図
那須岳の峠の茶屋がある県営駐車場まで来るまで上り、ここから登山とする。
県営駐車場は、朝8時過ぎだったが、前日泊の人も多いようで、すでにほぼ満車だった。
そのすぐ手前にある小さな駐車場もほぼ満車...。
快晴ということもあるが、紅葉の時期などはもっと人がくるだろうから、かなり早く到着しないとダメと思われる...。
県営駐車場以降はトイレがないので、ここで用を済ませていざ出発!!
装備 †
今回訪問してみて、必要と感じた装備を書いてみる。
- 長袖、長ズボン・・・藪漕ぎをするのでこれは絶対必須。足と腕は露出しないほうがいいだろう。
- 登山靴・・・滝を見るだけなら川を渡るのは滝前だけだったので登山靴で十分だろう
- 軍手(手袋)・・・藪漕ぎや急勾配で木や枝を掴むのであったほうがいい
- 熊よけの鈴・・・熊の目撃情報があったので、これもあった方がいい
- ストック・・・お好みにあわせて
- 帽子・・・日除けというより、木や笹の刃先から目や肌を守るためにこれもあったほうがいい。避難小屋以降から滝までは直射光はなし!
- 雨具・・・天気も変わりやすいので山で雨具は必須!!
- 食事・・・初回訪問の場合、ルート取りに時間を要する可能性が高いので時間と食料は持って行ったほうがいい。
- 水 ・・・給水ポイントは何箇所かあるので、補給前提なら大量にはいらないだろう。
- お菓子・・・歩きながらの栄養補給に...。
- カメラ・・・両部の滝の2滝を同時に撮影するため、広角レンズが望ましい。
- 地図・・・テープを頼りに進むが、事前に地図があったほうがいい。最低このレポートページのGPSの軌跡と地図を印刷して行く(正直地図があっても道に迷いましたけどね)
訪問時に持っていなかったが、次に行くなら是非持って行きたい装備
- スマホ(GPS)+山地図データ
実は今回、道に迷って1時間以上ぐるぐる回った。
迷った際のデータを下記に参考で載せておく。
↑迷子の軌跡
間違いなく遭難の手前状態。。。
迷って初めて気づくのだが、不安は体力を削ぐ。焦りも出てくる。
今はスマホにGPSもあり、地図をローカルにダウンロードすれば、電波が届かないところでも現在位置が確認できる。
事前にこの滝に行った人のログをダウンロードして、軌跡をたどれば、最悪元の登山道に戻ることまではできるはずだ!
今回はこの地図の重要性を痛感させられることになる。
あとスマホのバッテリー切れに対応するため、モバイルバッテリーもあったほうが良い。
くれぐれも時間、体力は有限なので無理はしないで余裕を持った行動を心がけたし!!
駐車場から両部の滝まで †
今回の行程は、両部の滝だけを目的としているのでその旨記載
- 峠の茶屋県営駐車場(8:20)
- 峠の茶屋避難所(8:56)
- 避難小屋(9:12)
- 延命水(9:34)
- 沼原分岐(9:42)
- 両部の滝のアプローチ開始(藪漕ぎ入口)(9:51)
- (超迷子。遭難一歩手前)。ここで本当に偶然人に出会う。訪問歴のあるGPS地図を片手に爆走するすごいおじさんだった。(11:10)
地図のぐるぐる辺り
- 両部の滝前(12:05-12:40)
- 温泉設備道から通常の散策道に合流(13:24)
- 沼原分岐(13:49)
- 避難小屋(14:22)
- 峠の茶屋避難所(14:42)
- 峠の茶屋県営駐車場(15:18)
↑峠の茶屋県営駐車場
↑峠の茶屋避難所
↑避難小屋
↑延命水
非常にうまーい
↑沼原分岐
ここは三斗小屋方面へ向かう。
↑両部の滝のアプローチ開始(藪漕ぎ入口)
最初のリボンは容易にわかりました。
看板などはありません。
地図があれば急激に西方面から方角を変えて三斗小屋の北に方角を変える手前にある。
しょぼいリボンが手前に2箇所ほどあったが、それは無視。
沼原分岐から5-10分程度歩いて、踏み跡がある藪とリボンを探そう。
ここからは藪漕ぎ!藪漕ぎ!
ただ、その藪漕ぎも50m-100m程度で終了。
視界を微妙に遮るように立つ山道を途切れない程度に続くリボンを頼りに進むことになる。
間隔が広くなるので、それを見失わないように...。
見失わないように進むのだが...。
途中で迷いましたよ!この白いリボンを中心にぐるぐる。。
後でGPSログで見直すと完全に外れに巻いているね、白いリボン。。。
↑迷った軌跡
完全に道に迷って、、、。
時間に余裕があったので次のリボンを探していたら、完全に脱線しましたよ。
死を感じましたよ。
はい。最後に迷ったリボンに帰ってきた時は感動しましたよ。
はい。体力があるうちに帰らねばと思いましたよ。
この時、2週連続で失敗だな、、と覚悟しましたよ。
次来るときは最低遭難しないようにGPSロガー買おう!と思いましたよ。
死ぬよりましだ!
そして、テープを逆手に帰路につこうとしたところ...
あれ!?
坂道下っていないか!?
沢に向かっていないか!?
はい。いつの間にか、滝に向かっていたのですね..。怖いですね。
ただ、帰りに同じように迷うとリカバリできないので、帰ろうかと思っていたところで、同じ滝に向かう訪問者にあったのでございます。
九死に一生です!!(^_^)/
その方はスマホ(GPS)片手にリボンやテープではなく、先人のGPSデータを頼りに進んでいました。
私「あのー同行してもいいでしょうか?」
偉人「ああ、いいですよ」
私「あぁ〜。ありがとうございます!」
その後ですよ....。
迷わない!
迷わない!
どんどん迷わず突き進んでいいって、途中から急勾配の下り坂+藪漕ぎがあったものの(ほとんど落下している感じ)、なんとか沢に合流しました。
その眼前には両部の滝が!
やった〜〜〜〜〜!!
超感動!
両部の滝 †
↑両部の滝
↑両部の滝
↑両部の滝(右の滝)
↑両部の滝(左の滝)
↑両部の滝(動画)
両部の滝。
那須岳にある幻の滝。
2つの沢が合流する際に偶然にも滝の落差を作り出し、ほぼ同じ場所でその姿を見ることができる極めて珍しい名瀑。
滝に向かって右側の滝は、屏風のような幅広の岩を落ちる。
この滝は温泉のようで生暖かい。(落ち口は温泉の取水施設?になっている点からもそれが伺える)
向かって左側の滝は直瀑だ。
細い線のような流れを作って一気に落ちる。
訪問時はそんなに降雨が続いているわけではなかったので、水量は多くないのかもしれないが、
狭い空間に2つの滝が並んで見えるのはまさに壮観だ!!
一度は見たいが、二度と来ることはないだろうとほとんど確信に近い気持ちになった。
私には難度が高すぎる。
ただ、帰り道を同じ道で帰ればいいのに、GPSに書かれている温泉の取水路の整備道に合流する過酷なルートをとってしまった...。
その方は、ほぼ垂直な崖を見ても、「登れるな!!」という実力の持ち主。
私は「無理!」と腰抜かす実力の持ち主。
ただ、ここで別れるとまた遭難する確率のほうが高いので、なんとかついていくことに...。
"すさまじい"急勾配(崖よ、崖...)を登っていくことになり、2,3回死にかけた...。
1周間前に迷っていた整備道に出た瞬間(まだ駐車場まで延々距離があるのに)、「おお!帰ってきたぜー」という感じになるのは人間不思議...。
訪問される方は、くれぐれも時間と体力に余裕を持ってゆっくりでてください。
スマホに地図データをダウンロードしてGPSはこの滝には有効だと思います。
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