QNAP TS119P/HDDの交換 †
概要 †
所有しているQNAP TS-119Pは稼働後3年程度が経過しており、設置時点で既に他のPCで使用していたHDDのおさがりだったので、
正直HDDの寿命が心配だった。
そこにPCで使用してきたWD Red 3TBを手違いで余らせてしまったため、おあつらえ向きにTS-119Pにぶち込んでやろうということで今回の交換作業発動!!
本機は、HDDは1基しかないため、交換には少し手間が必要。
交換前後のHDDは下記の通り。
- 交換前:WD Green 1TB(WD10EADS)
- 交換後:WD Red 3TB(WD30EFR)
Q-RAID1への期待と裏切り †
2台以上を組み込めるモデルなら、もう1台ずつ交換してRAIDの同期で対応できるだろうが、
本モデルは1台しかないので、別の手段を講じる必要がある。
そこで、USB接続された外付けHDDにTurboNAS独自機能のQ-RAID1を使ってクローンを作って交換する方法を検討。
手順は
- 交換後のHDDをUSBでTS-119Pに接続
- TS-119Pの管理画面から、外部ストレージを選択して初期化。共有方法は"Q-RAID1"にする。
フォーマット後に、同期化が行われる(90GB程度しか使用していなかったので、1晩で完了)
- USB HDDを取り外し、TS-119Pの内蔵HDDと交換
- TS-119Pを起動
これで起動するはずなのだが、起動できない。
TurboNASのQFinderで、TS-119Pを見ると
- マシン名は工場出荷状態でリストに表示されるだけで、管理画面に行けない(=エラーなど無く、ただ反応なし)。
- 初期化されていないから初期化しろ、と言われるがフォーマット画面に遷移しない(同上)。
- TS-119Pのアクセスランプが謎の点滅を繰り返しているので、起動はしているが明らかに異常なステータス。。。
WD Red3TBを外付けにして、中身を見ると、初期化されて何領域かにフォーマットされているし、
ファイルのブラウジングもできるようなのだが、何かうまく設定できていないところがあるのだろう。。
Q-RAID1のマニュアルに、「同じ容量、同じモデル」を推奨する記載があるが容量違いの別モデルということでうまく言っていないようだ...。
Webに活路を見出すも、このサイトに同様の現象が発生して、「おおっ!」と思ったのもつかの間、
どのボタンを押せば、外付けHDD⇒内蔵HDDでQ-RAID1の同期が行われるのかわからずじまいで、結局頓挫してしまった...。
1週間を要して、Q-RAID1を使用する方法は諦めた。
地道に移行だ!! †
便利な機能が使えないなら、地味に移行するしかない。
ただ3年も動かしていると何をいじったか正直忘れている。
特に問題は各種設定の移行だ...
地味に今までトライした内容をメモに起こしていく。。
元のHDDは更新しないので失敗したら元に戻せばOKということが、唯一の救いか...。
項目レベルで移行項目と対応方針は下記の通りだ。
No | 移行内容 | 対応案 |
1 | ユーザ/グループの設定 | TurboNAS標準機能で"設定の保存"を利用。 管理コンソールからバックアップファイルをダウンロードして完了 |
2 | QPKGでインストールしたアプリ | 再インストール後にQPKGで再インストール |
3 | Apacheの設定 | httpd.confを手動バックアップしてあとで戻す |
4 | cronに設定したバックアップスケジュール | cronの設定ファイルを手動バックアップ |
5 | Web/Pukiwikiのコンテンツデータ | tarで圧縮して手動バックアップ。 再セットアップ後にtarを解凍して復元 |
6 | cronから呼び出すバックアップスクリプトファイル | 手動バックアップ |
移行作業開始 †
さあ、作業開始だ!!
- WD Red 3TBをPCに接続して初期化。
これをしないと、先ほどの異常起動をし続けてTS-119Pで初期化ができないため必須の作業だ。
電源/リセットボタンの長押し具合でも対応できるかもしれないが正直めんどくさいのでこの方法が一番手っ取り早いと思う。
- バックアップ
- 1は管理コンソールから実施済み。
- 2〜6はtarコマンドを使って圧縮して、FTPを使ってローカルにダウンロード
- TS-119PのHDDを交換。WD Red 3TBに交換し起動。
- QFinderでTS-119Pに接続。工場出荷状態のマシン名で表示されたので、QFinderの機能でNAS初期化。HDDの初期化が始まり、処理終了後、再起動が行われる。
- QFinderからFirmwareの更新。ただし、既に最新だったため更新行われず
- TS-119Pの管理コンソールにログイン。設定の復元を選択。バックアップした設定ファイルを指定して復元実行。
結構時間がかかる。5分以上かかかっただろうか...。ただ、異常もなく処理は完了し、再起動実施。
- 再起動後、QFinderに移行前のマシン名のTS-119Pが表示され、復元が正常に実施されたことを確認できた。
管理コンソールにログインすると、マシン名/NW設定/ユーザ定義/トップフォルダとそのアクセス権が復元されていることがわかった。この復元機能はかなり便利だ!!
あと残りの設定の戻しにとりかかる。。
- 2 QPKGインストールのアプリ・・・よく考えるとFirmのVer4.xxになったあたりで、標準アプリが一度に増加して、Ver3xxxで追加したものは既にインストールされている状態になっている模様。。しかもアプリの有効/無効の設定も復元されている??この辺りは正直不明で自信なし。結果、作業不要。
- 3 Apcheの設定ファイル・・・あれ?戻っている。おそらく"設定の復元"にApacheの設定も組み込まれていたのだろう。この作業も不要。
- 4 cronの設定の復元・・・これも不要。"設定の保存"で復元されていた。なかなかやるな、設定の復元!!
- 5,6:コンテンツデータは手動で復元。FTPでtarのファイルをアップロードし、解凍....。
あれ?復元できるフォルダと、できないフォルダが有る...
ここで少し躓いたのが、工場出荷時からあるフォルダとそれ以外のフォルダ..。
管理コンソールからはすべて見えるのだが、マウント先のフォルダが実際には復元されていないようだ。
復元されているのはシンボリックファイルのみ。。
mkdirで手動でサブフォルダを作り、そこにtarでバックアップをリストア。無事に動作することを確認。
お!?
これだけか!!
この時点でPukiWikiが立ち上がって、今まで通り起動!!
心なしかRedに交換してからレスポンスが速い気がする。
HDDの動作音も静かになった。
逆に、NASの空冷ファンの風切り音が大きくなった気が...。。
交換後のHDDの方が発熱量が多いのか???
それとも交換作業で空冷ファンが壊れた???
その辺りは不明。気のせいかも。
そんなに大きな音でもないし、人のいない部屋に設置したから気にしない、気にしない。
全てうまく行って、大満足!!
今後はRAID1が組めるNASを買うことを誓って、作業終了♪
ただ、Q-RAID1を信じている人もいるだろうから、もう少し多くの情報がほしいところ。
QNAPさん、よろしくです。
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