田立の滝(長野県)

田立の滝までの交通

2011年5月4日訪問。
せっかくのGW。どこか新たな名瀑を攻略しようと思っていたが、東北はまだ雪深く、よい滝を見つけられずにいた。
そこで、まだ行ったことがない滝を調べていたところ、 治山作業で入山を禁止されていた長野の田立の滝が、2011年4月に入山可能になったため、急遽訪問することにした。

中央自動車道を進み、中津川ICで国道19号線へ。 南木曾方面へ向かい、弥栄橋交差点を左折して(国道256号線に入って)木曽川を渡って、右折して県道6号線を北上。
県道6号線を走っていると、「田立の滝」の看板への看板が見えてくるので、それに従っていれば、粒栗駐車場に到着する。
県道に入ってからは、道幅が狭くなるのでが注意が必要。

粒栗駐車場(螺旋滝〜そうめん滝)

粒栗駐車場

駐車場は20台は駐車可能。
GWということもあるが、満車状態だった。少し時間をとって車を停めた。

駐車場から散策道入り口はすぐ。
散策道入り口に滝までの簡易地図があったので、デジカメで撮影。

看板

↑看板
うるう滝を除いて田立の滝を構成する滝を全て観るには、それなりの時間を要する。
滝だけを見るのなら、不動岩へ向かう必要はない。
そうめん滝まで行って、UターンすればOK。

駐車場のトイレで用を済ませて山歩きの準備。


環境整備協力費200円をポストに入れていざ出発。

歩けばわかるが整備にかなりの人手がかかっているので是非寄付をしましょう

↑入り口にある入金箱。
非常に険しい地形に、登山道が整備されている。費用と労力をかけているのは明白。
すすんで協力させていただきました。(それでも足りないんだろうな、、)



#余談
 話は前後するが、この滝は整備された道を散策する感じではなく、登山と思ったほうが良い。
 途中、木製の階段(はしご?)を経由するため十分な装備が必要となる。
 最初の滝である螺旋滝までで50分、最奥のそうめん滝まではスムーズに進んで1.5時間程度だろうか、、
 写真を撮る/食事をする/休憩を入れるを考えると余裕を持って計画を立てて行ったほうがいいと感じた。
 装備としては、下記が必要だろう。

  • 登山靴
  • 軍手
  • 水(季節によるけど1リットルくらいは必要か?)
  • 食料
  • 雨合羽(アメが振っても傘などさせないので持参が望ましい)

    いざ出発!!

不動岩 展望

登山道を進んでいていると、"不動岩 展望"という看板がある。
どこにあるのか不明だったが、木々の間から見える絶壁の巨岩が見えたとき、初見の人間でもそれだとはっきりわかった。
孤高にそそり立った姿は、遠望ながらかなりの迫力だった。

不動岩展望

↑不動岩展望

不動岩展望

↑不動岩展望

よくみると不動岩の端っこにポツンと2つほど点のようなものが見える。。。人の背中だ!!
絶壁の端で休んでいるのだろうが、、、。見上げているだけでも、怖そうだ。

螺旋滝(らせん滝)

散策道から40分くらい歩くと、螺旋滝へ向かう分岐に到着する。
そこから川原の方へ10分程度歩くと、螺旋滝に到着する。
途中、道が崩落していて、足を滑らせると崖下まで落ちそうな危険な場所があったので注意が必要。

螺旋滝

↑螺旋滝

↑螺旋滝(動画)

螺旋滝。
その名の通り、落ちる途中でねじれるように流れを変えながら落ちる。
なかなかの迫力で、一気に気分が盛り上がった。残念な想いもする中で、今日は期待できそうだ。

この後、元の散策道に戻り、次へ向かう。

洗心滝

螺旋滝までは結構な距離を歩いたが、そこからはトントンと少し歩いては滝を見ることができる。
次にみえたのが洗心(せんしん)滝だ。

洗心滝

↑洗心滝

↑洗心滝(動画)

洗心滝。
結構、ユニークな名前の滝。名前の由来は不明。
散策道から俯瞰で見る事になるのだが、手前の木々が邪魔で、その姿をすっきり見ることはできない。
残念だ。
散策道の階段から見るのが一番すっきり視えるだろう。

次へ進む。

霧ヶ滝

(洗心滝で)ちょっとがっかりしたが、その後、巨大な絶壁が現れる。見上げる絶壁から落ちる様はまさに大迫力!再びテンションが上がる。

霧ヶ滝

↑霧ヶ滝

霧ヶ滝

↑霧ヶ滝

↑霧ヶ滝(動画)


霧ヶ滝
田立の滝の主瀑、天河滝の手前に位置する滝。
若干末広がりに落ちる。落差もさることながら、そそり立つ絶壁の迫力が素晴らしい。

特に少し引きで見た時に、上流の天河滝と霧ヶ滝を同時にみることができる。
1つだけでも大迫力なのだが、両方の滝があたかも二段瀑の様に見える様は、壮大なスケールに目を奪われてしまった。
田立の滝の見所のひとつだろう。


天河滝

霧ヶ滝を堪能して、すぐ脇の絶壁に設置された木製の階段(はしご?)を登って行くと、天河滝に到着する。

天河滝

↑天河滝

↑天河滝(動画)


天河滝
田立の滝の主瀑。

印象的なのは、平らで垂直にそそり立った巨岩で、その存在感は圧倒的。
その巨岩をすべるように、水しぶきをあげながら滝が作られている。
岩肌全体に太陽の日差しが当たって、滝の水しぶきがピカピカ反射して美しい。
絶好の観瀑ポジションとなっている。他にも登山者が休みをとりながら、しばしの休憩を楽しんでいた。

ここで食事をとって、残りの滝に向かう。

不動滝

天河滝を後にして、歩いて5分-10分で不動滝があらわれる。

不動滝

↑不動滝

↑不動滝(動画)


不動滝
滝の手前を渡るように吊り橋がかかっており、その辺りから見上げるように見ることになる。
はるか高く奥に位置する上段の滝と、手前にせり出すように見える巨大な岩を2つの流れで落ちる下段の滝。
昔は観瀑台があったようだが訪問時は荒れ果てていて存在しておらず、安定した撮影場所がない。
そのため吊り橋から脇に外れて、滝正面から撮影させてもらった。
この滝は上段と下段が少し距離があり、上段の滝が日光をいっぱいに受けて、下段はその逆で木々に日を遮られて、薄暗くなっている。
撮影は非常に難しい滝だった。
この写真は、滝の帰りに曇った状態になっていたので撮影したのだが、それでもうまく撮れない。結構厳しい滝だった。

この後、この滝の脇の木製の階段を登ってさらに奥へ向かう。

鶴翼滝

不動滝の落ち口を少し上流に歩くと、吊り橋がかかっており、そのすぐ下に鶴翼の滝がある。

鶴翼滝

↑鶴翼滝

鶴翼滝

↑鶴翼滝

↑鶴翼滝(動画)

鶴翼の滝。
実はこの滝は、入り口の案内図にはその名前があるものの、看板がなかった滝で、見落とさずに良かったとほっとした滝でもある。
不動滝へ向かう散策道から吊り橋と一緒に写すことができるが、大きな川幅と暗い渓谷で白く流れ落ちる滝の姿がとても素晴らしい。


そうめん滝

吊り橋からはすぐ上流に渓流瀑が見える。ここが田立の滝の終点、そうめん滝である。

そうめん滝

↑そうめん滝

↑そうめん滝(動画)


そうめん滝。
田立の滝群の中では、異色な渓流瀑。
落差は殆ど無く、川幅いっぱいに細かい滝の流れが構成され、最後に1つにまとまって川になって流れていく。
非常に静かな川のせせらぎを楽しむように見える滝。
他の滝が派手なものが多かった中で、最奥の滝がこのような滝だったのにはちょっと拍子抜けした。


散策道は、この滝で行き止まりになっていた。
滝以外に特に用もないので、ここで引き返すことにする。

不動岩展望台(おまけ)

鶴翼の滝まで戻ると、気になる看板"不動展望台"の文字があり、行こうかどうしようか迷う。
方向的には不動方面なのだが、時間もあることなので向かうことにする。

不動岩展望台

↑不動岩展望台

↑不動岩展望台(動画)

不動岩展望台。
遠望でみた、不動岩そのものだ。
俯瞰すると周囲を一望することができる。
不動岩は特に鎖などもなく、絶壁の端っこまで行くことができる。
"断崖絶壁"という言葉がピッタリの絶壁だ。怖くてとても真下を見ることができない。

岩場がちょうどいい腰掛けになっていて、先客のカップルがご飯を食べていた。
よくみると、この日抜きつ抜かれつしていたカップルさんだ。
女性のほうはまんべんの笑顔が印象的だったのだが、あちらもこちらを気にしていたのか、キットカットを頂いた。
山でのこういう出会は素晴らしい。

ちょっとエネルギーを充電して先に進む。

この後、少し歩くと車が通れるくらいの林道にでる。
看板を見ると、「林道は遠回りに作られており、帰るには距離が10kmあるので、来た道を帰ってください」的な標識が。。
結局、"不動展望台"なるものは存在しなかった。間違いだったのか、幻だったのか、、謎だ!!


気をとりなおして、駐車場へ向かう。
時間は15時半。撮影しながらとはいえ4時間以上を要してしまった。
元の粒栗駐車場まで気をつけて下山を開始した。
休憩と再撮影をしながら、1.5時間後にようやく駐車場に戻ることができた。

粒栗駐車場からうるう滝へ

時間は17時少し前。
いつもなら気持よく帰途につくところだが、また田立の滝群の1つをまだ見れていない。
最下流にある「うるう滝」だけ少し場所が離れている。

登山靴をカジュアルシューズに履き替えて、車に乗り込む。
粒栗駐車場から田立の滝キャンプ場まで戻ると、その手前に林道への分岐がある。
林道の方に入って400m程度走ると左手にうるう滝を見ることができる。
林道は非舗装だが、比較的平坦で車高がよほど低くなければ底をすることないだろう。
専用の駐車場はないが、人通りは皆無のため2台程度停車できそうな路肩に車を止めて滝を見ることにする。
林道から滝までは1分もかからない。

#うるう滝を示す林道への看板も実はあるのだが、位置の問題で粒栗駐車場からの帰り方向からは見ることができない。

#分岐は粒栗駐車場とキャンプ場の間にあるのでキャンプ場まで降りてきたら、引き返せばすぐに看板を見つけることができるだろう。

うるう滝

うるう滝

↑うるう滝

↑うるう滝(動画)

うるう滝。
田立の滝群最下流の滝。
最後に訪問したこの滝も、期待を裏切らない名瀑だった。
落差があり、細かいいくつかの流れを構成しながら落ちてくる様に、また時間を忘れて見入ってしまった。
訪問時は遅いこともあり他に人もおらず、静かな自然の中で、落ち着いた気持ちで田立の滝の最後の滝を堪能することができた。

総括

関東からも比較的アクセスしやすい場所に位置する南木曽の名瀑 田立の滝は、いくつもの名瀑で構成されそれぞれが特徴的で滝好きにはたまらない場所だった。
GWでくすぶっていたが、その借金を一気にチャラにしてお釣りが来るくらいの爽快感を味わえる名瀑だった。

訪問時は、3年を要した治山作業の後で要所要所に散策道を修理した後が伺え、対応された方の苦労が感じられる。
とは言いつつアクセスは狭くて急な道を長時間歩くため、それなりの準備をして言ったほうがいいと思われる。
なにより時間を要するため、入山時刻を意識した計画が一番大事と思った。
また木製の階段(はしご?)は、滑りやすく雨の後には滑りやすくなることは容易に想像できる。
天候などにも注意したアクセスを行うことが必要だろう。
機会があればまたチャレンジしたい名瀑だった。




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Last-modified: 2016-07-12 (火) 23:08:02